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  • 木村和正

サルの地獄檻について

サルの地獄檻について問い合わせがあったので、津市広域獣害対策連絡協議会の事務局としての経験からまとめてみた。せっかくなので公開する。

所属組織の現場で教わった知識と津市の一斉捕獲事業の情報から知見を総合的にまとめたものだ。



● 概要

サルがエサにつられて天井にあいた穴(空間)から侵入すると、そり返った板に邪魔されて出ることができないという仕掛けの捕獲ワナである。構造上現場で組み立てるタイプの大きなものが多い。シャッター(入り口=出口)を閉めるようなことがないので、次々に入るのが特徴的である。


● エサ

エサとしては、普段サルにやられているもの(被害作物)がよい。

一般的に

サツマイモ

カボチャ

タマネギ

ニンジン

ミカンがよく用いられる。


生産者の協力を得て、不要果樹や野菜をもらうのがいいが、その程度ではとても足りない。


地獄檻のエサ代は規模とかにもよるので一概に言えないけど、20,000円/月くらいはかかるという話を聞いたことがある。


餌付けの期間は、個体や群れによっても異なるが、最低でもひと月は覚悟したほうがいい。


仕掛けのエサより質の落ちるものを撒きエサとするのがコツという。


● 設置場所

檻はサルが食べ物を物色中に誘惑されやすい場所に設置する。


野生果樹の木のある山際など人目を気にせずエサをあされる場所が候補となる。


サルが移動する道は基本的に同じなのでその線上に檻を仕掛けると捕獲率が上がる。


気に入ったエサがあれば罠とわかっても入る。


● 処分方法

殺処分 ▶︎ 適切な埋設

が基本となる。


埋葬場所は、できるだけワナの近くで人目につかない場所を用意しておく必要がある。

穴を掘って埋めるのに重機が必要となる。

浅いと一晩で野生動物に掘り起こされてしまう。


● 行政との関わり方

市町によって補助の対象や条件がいろいろなのでまずは市町に相談する。


市や県を通してエサを調達する手はある。県の農業試験場とかみかん業者に声をかけてもらうとか、地域から頼むより行政を通した方が効率がよいけれども、そのあたりの対応も一概には言えない。


● その他

埋葬場所も大事だが、エサの保管場所の確保も重要である。


動物愛護団体に注意したほうがいい。

彼らは誘導したりサルの被害に困っていると言ってカマをかけてきたりすることがある。不要なトラブルを避ける意味でも細心の注意を払う必要がある。被害防止のための個体調整が目的の取り組みであることを再認識(確認)しておくことが大事である。


ワナの場所によって(通常)は、畑の被害を我慢する(被害を受けていても追い払えない)ことが求められる。事前に合意をとっておかないと成果が上がらないことになる。


津市の一斉捕獲は、年度事業として行うので、その年は犠牲になってもらうことも覚悟で地元の同意協力を得ている。


難色を示していた人も結果的に喜んでもらっているのが現実であると言える。


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