中日新聞 記事 トラッパーズ
学生&OBOG
がくせい おーびーおーじー
三重大学の学生を中心に学生が上ノ村で活動をはじめてくれたのは平成26年度からです。きっかけは三重県の地域活性化プランに関わったことでした。それで大学に出入りするようになり、学生との接点ができました。(管理人は個人的には以前から大学とは関わりを持っていましたが、学生との接点は皆無でした。)
それがきっかけで、学生に上ノ村の活動を呼びかけたのが、今日の関係の始まりです。
● 学生との関係の特徴(分析)
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原則として無償である
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学生は入れ替わっていく
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知的レベルは高い
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いろんな趣味や知識をもった者がいる(人材の宝庫)
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いろんな可能性を秘めている
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親が居る
● 関係の持ち方(考え方)
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お互いのメリットに焦点を当てる
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何よりも彼(彼女)らの成長を願う
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活動の資金源を確保してやる
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課題を明確にする
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その枠内で自由に活動してもらう(主体性を重んじる)
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地元との調整役を置く(作る)
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期待していることと、期待してもらって良いことを明確にしておく
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労働力として扱わない
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対等に対話する機会を多く持つ
● 感謝
学生の取り組みは、当初、「続くのか」と懸念の意を表明する者も多かった。学生生活は4年で終わるからである。しかし、それは杞憂に終わった(と現時点では言い切れる)。実質的に活動できるのは、4年ではなく2年であるにもかかわらず、である。
活動の初年度は、こちらも手探りの中、集落の課題(農地を守る、獣害対策など)に取り組んでもらうことと、将来への展開の準備(例えば、ピザ窯作りなど)を中心に、こちらが計画を示しコントロールした。
学生の活動が、集落の中で市民権を得た翌年から次第にイニシアティブを学生側に移すように心がけ、集落の課題を見つけることも課題にするなどの方向性を示した。3年目にはその辺もクリアし、新入生の勧誘も独自に展開してくれた。
4年目には、資金源となる県の交付金制度の活用についても、申請も含めかなりの負担を1年生に求めたが、それもクリアしてくれた。
先輩が後輩の育成も意識し、活動を支えるに必要な技術的なことも引き継ぎを遂行してくれている。
全部を任せるのは不可能だとしても、多くの部分を学生の判断と実践で進められる体制はできかかっている。初年度からのコアなメンバーが、大学院に進んでも関わりを持ってくれ、就職したものも機会を見つけて足を運んでくれている。彼らには、本当に期待以上の成果をあげてもらっており、感謝にたえないというのが、本当のところである。
● 主な活動
・縁結び農園
・もち米
・コシヒカリ
・ゴマ栽培
・野菜栽培
・柑橘類
・成願寺にコシヒカリ(30Kg)を奉納(恒例)
・成願寺の門松づくり
・アイガモ農法(実証実験)
・柿栽培(明和町)
・ジビエレシピ開発
・ヤギの飼育
・烏骨鶏の孵化、飼育
・盆踊りの準備、運営の手伝い
・災害ボランティア
・地区民運動会参加
・獣害防止柵の管理作業応援
・慰労会
・収穫祭
・倭小学校との連携(ピザ会)
・お茶摘み
・農業用水路の整備作業(出合)
・耕作放棄地の開梱、管理
・山中の水路復活
・ウシガエル生息調査、駆除
・シカ・イノシシの捕獲
・炭焼窯の再生(長く計画段階)
・山小屋づくり(挫折)▷ ツリーハウス計画
・集会所の設計(卒業設計)
・ピザ窯づくり
・ウコンの栽培
・養蜂
・そば打ち体験
・こんにゃくづくり教室
・田の草取り機の開発(頓挫)
・箱罠の管理、捕獲
・民家のリフォーム
●コロナ下での活動
・「上ノ村で友達をつくろう!」キャンペーン
・「Go To 上ノ村」キャンペーン
・各種コンテストに応募
●OBOGの活躍
以前から卒業生が、田植えの応援に駆けつけたり、イベントに参加してくれたりというようなことはあったけれども令和4年からOBOGだけで稲作に取り組みだした。その田んぼは、耕起こそして管理されていたが水路がだめになり一部を地主が畑に使うのみであった。その水路の再生から取り組み立派に水田として復活させた。
●新規就農と移住
OGの1人が卒業と同時に上ノ村に移り住み農業を始めた。
今や彼女を含め4人2カップルが上ノ村で生活している。
●学生やOBOGにとっての上ノ村という「場」
田植え、稲刈り、盆踊など学生が活躍するイベントの性質が変わってきているのを感じる。参加することで、旧交を温める場として機能しだしている。活動の成果が直結しているのだと分析している。