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上ノ村自治会獣害対策協議会

上ノ村自治会獣害対策協議会

 上ノ村では、平成22年度に自治会の臨時総会で「上ノ村自治会獣害対策協議会」を設立し、

 獣害対策に積極的に取り組んできました。

 平成23年度:特措法による獣害防護柵(恒久柵)を集落の周囲8kmにわたって設置

 平成24年度:実証実験で電気柵化の効果を検証

 平成25年度:実験結果を受け特措法で5kmを電気柵化、500m恒久柵を延伸

 平成26年度:柵管理作業の徹底とシステム化

 平成27年度:活動実績が評価され、三重県から知事賞、国から農村振興局長賞を授与さる

 平成28年度:足下の見直し(コンセプトは「油断が唯一の大敵」)と内外への情報発信

 平成29年度:フラットゲート普及事業

 平成30年度:フラットゲート普及事業

 令和​ 1年度:

 令和 2年度:コロナ感染症で各グループごとの活動にシフト

​ 令和 3年度:ノシバ育成事業に取り組む(実証実験)

​ 令和 4年度:ノシバ育成事業(3年計画)

​ 令和 5年度:アフターコロナの運営体制を模索

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「無理」のない全員参加.jpg

 強制を伴わない全員参加は、理想だ。イベントや事業への参加状況は、集落の、地域の力を推し量るバロメーターだ。80世帯規模の話で全員参加は至難の技だけれども、やはりそこを目指して行くことは地域力を養う上で大きな目標となる。


 このスライドは、あらゆる活動において先を見据えた意思決定、合意形成の大切さを示している。個人の意思決定以上に組織の意思決定(=合意形成)では、その重みが増す。個人の気持ちはうつろいやすいが、その集合である組織の意思はより不
安定なものになる。


 集落全体で恒久柵の設置作業を行うことも、その柵の管理を継続していくことも、それをベースに獣害対策を展開していくことも、さらにそれを地域の活性化につなげていくことも並の決意でできることではない。「覚悟」がいる。そこまで見通し、逆に目の前の苦役を希望につなげるために、今々の意思決定、合意形成を質の高いものにしておく必要がある。それによって、それに続くプロセスがよりスムーズに展開できる環境が
築かれる。ここに投入する手間暇は、最も効果的な先への投資に他ならない。
 

​(著作 P038)

​実際の活動内容については、こちら
​成果

 アンケートの結果から算出した年間の被害金額は、柵を設置する前の1/5ということだが、ここでの算出方法では金額は係数しだいで変わるので比率で捉えるほうが適切だ。とはいうものの、それでも実感とは大きくかけ離れている。感覚的には被害は1割以下に軽減したように思う。
 

 人の記憶だとか印象だとかは、かなり曖昧である。したがって費用対効果を正式に取りざたするときなどには向かないが、恒久柵事業の成果を聞かれたら大半の住民が「激減した」と答えるだろう。実は、地元の活動には、その感覚こそが大事なのである。「頑張ればできるんだ」、「頑張って良かった」という想いが強ければ強いほど活動は活発になり発展する。成果はモチベーションの大事な要因と言える。要は、成果も評価も、
その目的に適合したものであることが大事だ。それ以上でも、それ以下でも、無駄だったり、役に立たなかったりしてしまう。

 

 ただし、印象は客観性がないので、個人差が出るのは避けられない。またそこも利用できるのだが、使い方は慎重さが求め
られる。

​(著作 P030)

平成22年 県のアンケート調査の結果.jpg
平成27年 県のアンケート調査の結果.jpg
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022三重県「獣害対策5箇条」.JPG

 戦略の基礎となるのは、三重県が策定した「獣害対策5箇条」だ。

これは、表現こそ違え兵庫県はじめ多くの県で採用されたいわば対策の基本指針あみたいなものだ。実際、対策が普及しだした頃には、耳にタコができるほど聞かされた。おそらく担当者は否定するだろうが、県も当初ほど言わなくなった。少なくとも最近の県主催の研修会で取り上げられたことはない。しかし、その重要性は変わっていない。

■ 使い方のポイント

① 全部をやる必要はない。

 地域の実情(獣種、被害状況、集落の認識、体制)にあったものを取捨選択し優先順位をつけて取り組むのが大事だ。

② 「①餌場をなくす」が基本の基

 ついつい派手な取り組みに走りがちだが、獣は餌があるからやってくる、餌がなければ来ない、という単純な話だ。

​③ 固定的でなく状況に応じて臨機応変に対応する。

■ 上ノ村の取り組み方は、こちら

 当たり前の活かし方だと思うのだが、こういう活用の仕方にあまり出会わないし、県が力説したこともない。

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