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柵の活用
なぜ、恒久柵ありきだったか
獣害対策の切り口はいろいろだ。三重県の「獣害対策5箇条」に代表されるように概ね5つの方策が主なものとして上げられる。<129>上ノ村は、その中から「③できるだけ囲う」から取り組むことにした。当初は、集落を3つに分けて電気柵で囲う計画を目論んだ。市の担当者から特措法による恒久柵設置事業があるのでそれに取り組んでみてはどうかと提案があり、一気に軌道修正することとなった。
この事業に踏み切ったのは、恒久柵は電気柵と異なり物理的に侵入を防ぐものであり、管理が行き届いてさえいれば効果は確実で絶大だ。何よりもこの点は本来の目的を全うする意味で最高の方法だと考えられた。
これだけの大事業に取り組むからには、それを活かし、より発展的に地域の活性化につなげたいとの欲望に駆られた。個人的には極めて自然な流れだと思うが、周りを見ると案外こういう発想はないようだ。
何事も一面的に捉えるのではなく、いくつもの意味を見出していくやり方は、私の得意なところだ。改めてお勧めしたい。
(著作 P049)
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