県への推薦文
更新日:10月22日
これで選ばれなかったら、三重県の活動レベルは全国トップクラスと断言して良い(笑)。
コミュニティ部門
上ノ村環境保全プロジェクト
推薦理由
上ノ村環境保全プロジェクトは平成29年度に県と国から表彰されて活動に弾みがついたことからなるべくほかの組織にも機会を与えてもらいたいと固辞された。その上で、お願いしたところ啓発的視点から承諾を得た。前回の受賞以降に始めたことを中心に説明を受けた。
上ノ村環境保全プロジェクトの最大の特徴はコンセプトがしっかりしていることである。「人と農を核に地域をデザインする」という基本コンセプトの下、コミュニティに関する事業では、「外部活力の活用・連携」という考え方に基づいてユニークで楽しい活動を行っている。
(1)安楽島(鳥羽市)視察交流
・コロナで中断はあったものの令和元年(2019年)から毎年安楽島に視察に行き意見交換を行っている。
・この視察の特徴は視察から交流へというコンセプトに基づき、安楽島と上ノ村の地域間交流に発展している。
・今年度はみえのつどいで知り合った浅見雅之講師に同行をお願いし、①地域の活動組織の枠組み(役割分担)の再考、②防災活動について自治会も参加して意見交換を行った。
・公募と並行して有望な若手を中心に人選し、参加者全員にレポート提出を求め成果を集落で共有している。
・上ノ村のエイサー隊と安楽島の和太鼓保全会等、分野ごとの交流も始まっている。
(2)新たな話し合いの場「どーだい」寄り合い
・安楽島の「どーどい」に倣って地域内の諸団体・個人の自由な参加のもと、地域のことを話し合うフラットな関係の会合を毎月開催している。外部からの参加も推奨したオープンで対等な話し合いの場となっている。
・色んな活動がこの場で提案、企画されている。
・後継者育成の場としてコンセプトの引き継ぎや、考え方ノウハウの継承の場としても位置付けている。
(3)橋北中学校(津市桜橋)の稲作体験
・今年度から上ノ村の耕作放棄地を活用して橋北中学校の稲作体験を始めた。36人×5クラスを田植え(2クラス)、ひえ取り(1クラス)、稲刈り(2クラス)を行った。
・それぞれの作業間の共有は学校・生徒に任せてある。
・作業は午前中のみとし、昼食後、毎回、上ノ村住民を講師として上ノ村の生活や活動について紹介した。
・取れた米は生徒が商品化して文化祭で販売する。苗代等経費を除き、売り上げは学校もしくは学年に帰属させる。
・この活動は学校区を越えた連携という点が特徴的であり注目に値する。
(4)公開の勉強会「かみのむらのつどい」
・本年2月には「みえのつどい」に倣って講師に浅見雅之氏を招き上ノ村の学生の活動について話し合う公開の意見交換会を開いた。
・地元住民、学生、学生OB、15名程の地区外の人達(鳥羽市長、国・県・市担当者を含む)約40名で有意義な時間を共有した。
(5)学生とOBOGの活動の定着発展
・平成26年から続いている学生の地域活動は、明和町等、他地域への広がりも見せ、盛んに継続されている。
・OBOGが独自に休耕田で稲作を開始した。
・農業的活動にとどまらず、学生、OBが盆踊りの開催に深く関わるなど集いの場になっている。
・大学卒業と同時に就農した女性は内外の活動をつなぐ窓口として機能し始めている。
・入れ替わりはあったものの現時点で彼女を含め3名が上ノ村に移り住んでいる。
・そのうちの一人は「野生生物対策アドバイザー」として県内外で活動し評価されている。門戸を開いた活動の一つの成果である。
・3名のほか周辺地域に移住し、上ノ村に通って活動する者もいる。
(6)農的生活へのいざない
・ホームページを通して田舎の生活体験、農的生活の魅力、伝統行事への参加協力を求めている。
・遊休農地を分割管理耕作するふれあい農園も定着した。
(7)内外に向けての情報発信
・以前からある情報発信のためのホームページ「上ノ村情報局」の利用者も増え、アクセス数が252,000件を超えている。
・平成21年の設立以来、毎月発行してきた「上ノ村環境保全通信」は本年9月現在、183号に至っている。
(8)地域の子ども達の成長
・親子の農業体験サークル「まめっこ」で活動していた子ども達が大学生になり、農業系、地域創生関係の学部で学びだした。
・彼らが学友を上ノ村に連れてきて新たな活動が始まろうとしている。
以上
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